ハロウィンパーティー〜薄桜鬼の場合〜


「はろうぃんぱぁーてぃー……ですか?」
千鶴は何のことだろうと首を傾げて鸚鵡のように聞き返した。
「うん、そう!!はろうぃんぱーてぃー!!」
にっこりと笑顔を浮かべて千鶴に沖田が答える。
沖田が大広間に現れて機嫌良さ気に「はろうぃんぱーてぃーをしようよっ!!」と言い出したことから始まったやり取りだが、
皆いまいち何を言い出したのか理解ができない。
「ぱーてぃーと言うのは聞いたことがあるが、"はろうぃん"とは何なのだ?」
聞き慣れない単語に斎藤は沖田へ問いかける。
大広間に集まっていた面々はやはり同じ疑問を抱いていたらしく皆一様に"うんうん"と頷いて沖田へと視線を向けた。
その視線を受けてにっこりと楽しそうに笑うと、沖田は口を開く。
「はろうぃんって言うのは、元々は西洋でこの日は死者の霊が家族を訪ねたり、精霊とか魔女が出てくるって信じられてて、
そうゆう物から身を守るために仮面を被ったり、魔除けの焚き火を焚いたりする風習が始まりなんだって。
まあ、簡単に言えばはろうぃんぱーてぃーって言うのは、皆で仮装して美味しいご飯を食べて、お酒を呑んでっていう宴会みたいなものだよ。」
「酒っ!?そりゃいいなっ、是非ともやろうじゃねぇか!!」
沖田の言葉に大好きな"酒"という言葉が出てきたので、永倉は沖田のはろうぃんぱーてぃーの提案にすぐ様賛同した。
「新八っつぁんは本当に、酒ばっかだな〜。でもちょっとおもしろそうだよな!!俺もやってみたい!!」
"酒"にすぐ飛びついた永倉に茶々を入れつつも藤堂も興味を持ってはろうぃんぱーてぃー開催に賛同する。
「そうだな……、たまにはそんな事するのもいいかもしれねぇな。千鶴も楽しめるんじゃねぇか?」
原田も別段反対するようなこともなく、乗っかってきた。
「はろうぃんぱーてぃーやってみたいです!!楽しそうですね!!」
原田の言葉に同意の意を示した千鶴だが、そこまで言って、はっと気付く。
「あっ、でも土方さんの許可がないと駄目ですよね……?」
屯所の中で宴会のようなものをするのだから、当然、土方さんの許可が必要になってくる。
その事実を思い出し、しゅんとしたように気落ちして千鶴がそう言った。
「無論許可は必要になるな。だが、たまの息抜きは必要だと思う、土方さんも許可してくれるだろう。」
元気を失くした千鶴の頭を斎藤がぽんぽんと優しく撫でた。
「俺からも土方さんに頼んでみよう。」
普段は見せない笑顔で山崎も千鶴を元気付けるように告げる。
「土方さんに許可取らなくても、その辺はもう手回ししてるから平気だよ。ってか、一くんいい加減千鶴ちゃんから離れなよ。」
不満そうな声を上げながら、沖田が千鶴の頭を撫でる斎藤の手を払いのけ千鶴のことを後ろからがっちりと腕の中に巻き込む。
「ちょっ、沖田さん離して下さいっ///!!」
千鶴の旋毛に顎を乗せてにこにことご機嫌な表情になって、千鶴が抜け出そうともがいているのを尻目に、
「いやだよ、絶対に離してあげない♪」
っと言ってのけた。そしてますます、ぎゅうっと千鶴に回す腕の力を強めた。
「沖田さんっ///!!」
千鶴が非難の声を上げるが、顔を真っ赤にして言っているのでその姿は犯罪級なまでに可愛らしく、全く効果のない叫びであった。
その様子に殺気を放って今にも抜刀しそうな勢いの人間が五名……。
五人の鬼気迫る様相に気が付いた千鶴は、"ひっ"と声にならない声を漏らし、冷や汗が出るのを感じた。
今にも斬り合いが始まるのではないかという緊張感が極限まで張り詰めたとき、
―――スパンッ―――
「さっきからうるせぇんだよ、お前ぇ等っ!!」
と、鬼の形相で土方が広間へと入ってきた。
その姿を見とめると沖田は大仰に溜息をついてみせ、言葉を紡ぐ。
「あ〜あっ、面倒くさい人が来ちゃったよ。せっかく近藤さんに許可してもらってこの鬼に内緒で話を進めようと思ってたのに。」
"ざ〜んねんっ"っとつまらなそうに千鶴の旋毛に顎を置いたままの状態でぼやいている。
「ああ”っ?総司、てめぇ鬼とかぬかしやがったか?それより、何でそんなに千鶴に引っ付いてんだ、離してやらねぇかっ!!」
ギンッと音がしそうな程、土方が沖田を睨みつけながら言うが、当の沖田はそんなこと何処吹く風だと言わんばかりに、
"千鶴ちゃんは別に僕に離れて欲しいとか思ってないよねぇ?"っと、にこにこと笑いながら問いかけていたりする。
千鶴がそれに答えるよりも先に、黒い影が動いた。
"沖田さんっ!!!"と怒ろうと口を開きかけていたのだが、先程まで自分の背後にいた為、
真正面からの顔を見ることが叶わなかった沖田の顔が、今は真正面から見ることができることに千鶴は首を傾げる。
そして、自分の腰に誰かの手が添えられていることに気が付いた。
"あれっ?"っと千鶴が疑問に思い、誰だろうと確認しようと視線を向ける前に、その人物が口を開いた。
「総司、千鶴は離して欲しいと思っているに決まっているだろう。」
「一くんは僕に喧嘩売ってるのかな?売ってるんなら喜んで買うよ?」
自分の腕の中にいた千鶴を奪われ、斎藤が千鶴を抱きかかえているのを見て沖田の纏う空気が一気に冷える。
「私闘はご法度だ。」
「あれぇ?一くんは僕が怖いの?だからそんなこと言ってるんでしょ。」
一触即発の空気が流れ、千鶴は慌てて二人を止めようとしたのだが、そんな千鶴をするりと抱きかかえる人物が現われた。
「まあ、あいつらは放っておいて、はろうぃんぱーてぃー?とやらの準備始めようぜ?」
ふわりと優しい笑みを浮かべて千鶴にそう言ったのは、原田。
整いすぎた顔でそんな表情を浮かべて間近で話しかけられれば頬が熱くなるのを止められない。
原田はそんな千鶴の様子を満足気に見ると、土方さんへ言う。
「総司の奴が、近藤さんに許可取ってるっつってたし、はろうぃんぱーてぃーやってもいんだろ、土方さん?」
「近藤さんが良いっつたんなら、俺にはどうしようもねぇよ。ただ、羽目だけは外しすぎんじゃねぇぞ。」
"はぁっ"と呆れたように溜息をつき、頭をがしがしと掻きながら土方さんが答えた。
「やっりぃ〜♪」
「よっしゃあ!!酒が飲めるぜっ!!」
喜びの声を上げる藤堂、永倉。土方さんからの許可も出たことで千鶴も嬉しそうな表情を浮かべて喜んでいた。
「とりあえず、先程沖田さんが仮装をしてと仰っていたので、その衣装の準備をしなければなりませんね。
後は、料理とお酒といったところですか……。別れて準備をした方が良さそうですね。
料理の準備は……「お菓子も用意しておいてね♪はろうぃんぱーてぃーで使う物だから!」」
やれやれといった様子ながらも、準備の指示を出そうとした山崎の言葉を遮るかのように、
先程まで斎藤と一触即発な雰囲気を醸し出していた沖田が楽しそうに言う。
「お菓子……ですか?」
言葉を遮られてまで沖田が言った言葉を訝しげに山崎は繰り返した。
「そっ、お菓子♪」
にこにこと楽しそうな笑顔で沖田が山崎の言葉を肯定する。
「はぁっ、わかりました。では、衣装の準備と菓子及び酒の準備、後は料理の準備で三つに別れて準備をするということで良いですか?」
沖田のその様子にいつものことだ、と早々にあきらめた山崎は、頭を切り替えて準備の役割について決めようとした。
「うん、いいんじゃない?僕は、もちろん衣装の準備かな♪」
どこか黒い空気を漂わせながら満面の笑みを浮かべて沖田は、衣装の準備に立候補した。
「俺はもちろん酒の準備だっ!!」
「あっ、ずりー新八っつぁん!!俺も!!」
「おいおい、お前等、菓子の準備もしなきゃなんねぇこと忘れんじゃねぇぞ?」
永倉が我先にと名乗りを上げると、藤堂もずるいと言いながら名乗り上げる。
特に名乗りを上げたわけではないが、永倉、藤堂の二人だけで酒の準備となるときっと菓子の準備なんて忘れるだろう。
二人の釘を刺す役目として原田は必要となるので、酒と菓子の準備はこの三人に決定せざるを得ない。
「では、俺と千鶴と山崎くんが料理の準備となるな。」
忙しい身の土方に何か頼むわけにもいかないので、斎藤の言う通り残っている斎藤、千鶴、山崎は自動的に料理の準備となる。
「そうですね。斎藤さんと、千鶴君がそれで問題ないのであればこの分担でいこうかと思います。」
山崎が伺うように言えば、"俺はかまわない。"と斎藤は答える。
「あの……、衣装の準備は、沖田さん一人で大丈夫なんですか……?」
千鶴は心配そうな表情を浮かべてそう問いかけてきた。
料理の準備というのはまあ、人手が必要になるのはわかるのだが、酒と菓子、衣装の準備では、
衣装の準備の方が手間がかかりそうな感じがするもの。
だから、沖田一人が衣装の準備と言うことで大丈夫なのだろうか?と千鶴は心配していた。
「元々、言い出したのは総司だ。放っておいて大丈夫だろう。」
「斎藤さんの言う通り、沖田さんは沖田さんの考えがあって自らかってでたのだから問題ないでしょう。」
斎藤と山崎が問題ないときっぱり言い切った。
「一くんも山崎くんもひどいなぁ〜。心配してくれてありがと、千鶴ちゃん。君と一緒に衣装選びって言うのは、
ものすごく魅力的なんだけど、それよりも僕は君の作る美味しい料理の方が食べたいな。
君の衣装もしっかりと選んでおくから楽しみにしておいてね♪」
沖田は笑顔を浮かべているはずなのに……、にこにこと微笑んでいるはずなのに、千鶴は沖田を見てわずかに悪寒を感じた。
何故、悪寒を感じたのか千鶴はわからなかったが、その場にいた誰もが沖田がいつものように、
よからぬことを画策しているときの顔だ……と、そう思っていた。


夕刻を迎え、空は美しいまでの橙一色に染まり、時間が経つ毎にその色を宵闇が浸食していった。
厨では、千鶴が指示を出しながら料理を作り、斎藤、山崎の二人は千鶴の指示に従って動き回り作業をしている。
「料理はどんな感じ?」
そこへ風呂敷に包まれた何かを三つ抱えた沖田が現われ、声をかけた。
「あっ、沖田さん。あと少しで全部完成です!!沖田さんはどうかされたんですか?」
永倉や藤堂、たまに原田までもだが、その三人はよく千鶴が何か作っていると味見と称してつまみ食いにやって来る。
だが、沖田は当番のとき以外厨へは近付くことがない。
その沖田がわざわざ厨へやってきた理由が思いつかない千鶴は尋ねた。
「何か、どうかしなきゃ来ちゃいけないみたいだね。寂しいなぁ。」
「えっ!?いや、そういうわけじゃなくてですね……。」
尻すぼみに声が小さくなっていく千鶴の様子を沖田は、楽しそうに見てから続ける。
「わかってるよ。千鶴ちゃんがそんな意味で言ったんじゃないってことくらい。本当に君ってわかりやすいよねぇ。」
予想通りの千鶴の反応に気をよくして沖田が千鶴の頭を撫でていると、
「総司、用件は何だ。」
千鶴を撫でる沖田の手を掴んで止めて、斎藤が問う。
「一くんは今日は何か、やけに僕につっかかってくるね?」
「そんなことはない。お前の気のせいだ。」
「そうは思えないんだけどなぁ。」
千鶴を挟んで再び沖田と斎藤の間に一触即発の空気が流れる。千鶴が慌てて止めようとすると、
突然ぐいっと手を引かれて千鶴の目の前に草色の着物が映った。
「お二人共、千鶴君が困っています、その険悪な空気を出すのやめてください。
沖田さん、その風呂敷に包まれているのは衣装ですよね?それを俺達に持ってきたのではないんですか?」
山崎は千鶴を背に隠しながら、沖田と斎藤に釘を刺し、沖田の用件に検討をつけ尋ねる。
沖田は千鶴を隠されたことに若干苛立ち、黒い笑顔で山崎の言葉に答えた。
「何か、山崎くん最近ますます一くんに似てきたよね、二人共本当に可愛げがないなぁ。
山崎くんの言う通り、僕が選んだ衣装をわざわざ持ってきてあげたんだよ。持ってきてあげたんだから感謝くらいして欲しいな〜。
はい、これが一くんので、これが山崎くんのね。」
黒い笑顔を浮かべながらもちくちくと嫌味を言いつつ、ここへ来た目的を果たすべく衣装の入っているという風呂敷を渡す。
「そして、これが千鶴ちゃんの分だよ。千鶴ちゃんがそれ着てくれること楽しみにしてるからね♪
じゃあ、料理の準備終わったら、風呂敷の中身に着替えて広間に来てね。あっ!もちろん僕が一生懸命時間をかけて選んで準備したんだから、
いやだとか、着ないなんてことは認められないから♪」
沖田は、至極楽しそうに黒い微笑みを浮かべ言いたいことだけ言うと、機嫌良さそうに厨を後にした。
「……はぁっ……。」
「沖田さんがあんなに機嫌が良さそうにしているということは、覚悟した方が良さそうですね……。」
何も言わず溜息をつく斎藤と、おそらく斎藤も内心思っているだろうことを山崎は溜息と共に呟いた。
「とっ、とりあえず、お料理を完成させましょうか。」
千鶴は苦笑しながら斎藤と山崎にそう促す。千鶴も内心、沖田の笑顔に人知れず寒気を感じていたので、
風呂敷の中には何が入っているのだろうか……と不安を拭いきれずにいた。


力作揃いの豪華な料理も如何にか全て出来上がり、皿へ盛り付けて広間へと運んだ。
はろうぃんぱーてぃーのための料理の準備は終わった。
そして、斎藤、山崎、千鶴は各々の部屋へと戻り沖田の用意した衣装へと着替えることになった。
部屋に戻り風呂敷を開いてから、
「「はぁっ……。」」
別々の部屋にいるが、斎藤と山崎は同じ反応を示した。
この後に続く言葉も同じく、「「やはり(ですね)……。」」。
斎藤と山崎は想像していた通りだったという感じでげんなりとした。
時同じくして、千鶴の部屋からは、
「こっ、こんなの着れるわけないじゃないですかぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」
という千鶴の叫びが聞こえた。
部屋に戻り、どんなのだろうっと少しわくわくしながら風呂敷を開き、そこに綺麗に畳まれている物を手に取り、
広げてみて、全容を目の当たりにすると千鶴は力の限り叫んだのだ。

千鶴の叫びから半刻程経った頃、広間には幹部の面々がいた。
山伏の格好をしている永倉と、岡っ引きの格好をしている藤堂、それと火消しの格好をした原田。
力士のような格好をしている近藤に、僧侶の格好の山崎、大工の棟梁のような格好の島田。
忍者?のような格好をした斎藤、板前の格好の井上、能楽師?の格好の山南。
神官のような格好をした土方に、そして何故か紋付袴姿の沖田……。
「他の奴等はまだわかる。仮装って言うくらいなんだからな。だが、どうしてお前だけそんな普通の格好してやがんだ、総司?」
額に青筋を浮かべながら、眉をぴくぴくとひきつらせ土方が問う。
「そうだぜ、総司っ!お前何の仮装もしてねぇじゃねぇかっ!!」
「紋付袴とかお偉いさんに会うときとかにする格好じゃんか。」
「な〜に企んでやがんだ?」
「……。」
土方に続くように、文句をたれる永倉と藤堂。原田は切れ長の瞳をスイッと細め沖田の真意を探るように沖田を見、
斎藤は無言で睨みつけ威圧感を醸し出す。
口を出すことこそしなかったが、山崎も沖田を非難するかのように心の中で嘆息した。
「まあ、そんな急がなくても、僕が何で紋付袴姿なのかすぐわかりますよ♪」
っと沖田が楽しげにいい終わるや否や、
―――スパンッ―――
と言う音がして、広間の襖が開けられた。
広間にいる幹部の面々、沖田以外の視線は自然と襖が開かれたところへ集まる。
襖の開いた先に立っていたのは……
「どういうことですか、沖田さんっ!!何でわたしのが、"白無垢"なんですかっ!!?」
純白の美しい着物、所謂"白無垢"に身を包んだ千鶴だった。
男所帯の新選組。体裁と身の安全を考え、普段は男装している千鶴のその姿は見目麗しく、どこぞの姫君だと言わんばかりの美しさである。
元々可愛らしい千鶴は男装をしていても、可愛らしさが滲み出ておりその可愛らしさから幹部の面々を知らず知らずの内に、
悩殺していることが多々ある。そんな千鶴の麗しい程の白無垢姿に、広間にいた幹部の面々は思考が停止する。
そんな中唯一人、思考を停止させることのなかった者がいた。
「うん、やっぱりよく似合うね♪僕が見立てたんだから当然だけど。」
千鶴にこの衣装を渡した張本人である沖田だけが、思考を停止させることなく千鶴の言葉へ答えた。
そう答えながら沖田は千鶴の方へ歩み寄る。そして、千鶴の肩を抱き寄せると、満面の笑顔で言い放った。
「僕と千鶴ちゃんの二人で花婿と花嫁の仮装だよ♪」

この後、沖田のこの発言と行動により、この楽しいはずのはろうぃんぱーてぃーの会場が地獄絵図と化したのは言うまでもない……。

〜おまけ〜
「千鶴ちゃん、僕に"とりっくおあとりーと"って言ってくれない?」
「へっ?えぇっと……、"とりっくおあとりーと"??」
沖田に言われるままに不思議そうに鸚鵡返しで同じ言葉を千鶴が言った。
それに対して嬉しそうに笑うと、
「はいっ。」
っと何かを千鶴の手の上に乗せた。手の平に乗せられた物を見てみると、それは色とりどりの金平糖。
「わあっ、可愛い。でも突然どうしてですか?」
不思議そうに尋ねてくる千鶴に満足気に沖田は笑い、答える。
「千鶴ちゃんが"とりっくおあとりーと"って言ったからだよ♪じゃあ、千鶴ちゃん、"とりっくおあとりーと"!」
「えぇっ!?」
沖田の言っている意味がいまいちよくわかっていないものの、何となく、"とりっくおあとりーと"と言われたら、
お菓子をあげなくてはならないと思った千鶴は慌ててお菓子を探すが何も出てこない。
「お菓子持ってないです、わたし……。」
申し訳なさそうにしょんぼりしながら言う千鶴に、沖田はにやりと笑う。
「じゃあ、"いたずら"させてもらうね♪」
「えっ!?どうしてですか!?」
沖田の突然の発言に意味がわからない千鶴はうろたえる。その様子を見ながら沖田は笑みをますます深くして言った。
「だってね、"とりっくおあとりーと"って言うのは、"お菓子をくれなきゃいたずらしちゃうぞ"って意味なんだよ?
だから、お菓子をくれない千鶴ちゃんには、いたずらしちゃうってことだよ♪」
沖田の言葉に、千鶴はだんだんと血の気がひいて真っ青になる。
「えっ!?えぇっ!?そっ、そんな、ずるいです沖田さん!!」
「ずるくないよ♪じゃあ、どんないたずらしようかな〜♪」


○o.。○o.。○o.。○o.。○o.。○o.。○o.。○o.。○o。○o.。○o.。○o.。○o.。○o.。○o.。○o。○o.。○o.。 ○o.。
サイト一周年記念、第一作目は"薄桜鬼"で書いてみました!!
薄桜鬼でハロウィンって。。。って思ったんですけど、あえてSSLではなく、
無謀にも原作の世界観で書いてみたのですけど(苦笑)苦しかったです!!
ってか、この時代そんなもの伝わってるはずがないって思ったんですけど、その辺は無視の方向でお願いしますm(__;)m
仮装が何にすればいんだろうと悩みました。。。orz幽霊とかにすればいいのかな?って思ったのですけど、
違う職業ならではの格好とかするのもある意味仮装かな?(まあ、実際は変装ですが(^^;))と思い、今回のようなことに!!
あっ、いろんな職種の衣装の調達はもちろん監察方です!!原作であの、池田屋事件の前の、
千鶴が沖田さんの巡察同行したとき、烝さんと島田さんの二人がなんか変装してたじゃないですか!?
なら、きっと監察方はそういう衣装をもっているハズ。。。と思いまして(笑
白無垢だけは沖田さんの特注で(にやり
もう、恋咲桜華も一年も続けてるんだなぁ。。。っとびっくりです。まあ、更新頻度はかなり低いですが。。。
ハロウィン過ぎちゃいましたが、ハロウィンパーティーというお題の元、一周年記念SSを書いていこうと思います。
次は、緋色あたり書こうかな。。。と思いつつどうなるかわかりませんが(苦笑
ここまで読んでくださってありがとうございますm(__)m

 

 

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