ハロウィンパーティー〜ヒイロノカケラの場合〜 後編


―――――ガチャッ
「鬼崎くんっ!?」
「……よぉっ。」
沙弥が想像もしていなかった人物……、私服姿の刀真がそこに立っていた。
「おっ、おはよう。どうしたのいったい?」
刀真が訪ねて来た理由がさっぱり検討がつかないので、戸惑いながらも首を傾げて沙弥は尋ねる。
沙弥の問いかけに対して、刀真は落ち着かない様子で視線を彷徨わせながら答える。
「あ〜っ、何だ、その……。」
いつもの刀真からは想像できない程、どこか落ち着かない様子で何とも歯切れの悪い応答に沙弥はますます首を傾げた。
「……一緒に出かけんぞっ……。」
刀真にしては珍しい小さく呟くような声に、沙弥は聞き取ることができず聞き返す。
「ごめんなさい。聞こえなかったからもう一度言ってもらえないっ……?」
申し訳なさそうに遠慮がちに沙弥が言うと、刀真は"うっ……"っと呻き頭をガシガシと掻いた。
そして、しばらくそうしていたと思ったら"あ〜っ、くそっ!!"っと唐突に声を発し、顔を上げて沙弥の顔を見て、
「一緒に出かけるぞ!!……って言ったんだよ。」
っと言うと、尻すぼみに小さくなっていく声と共に、沙弥から顔をそらした。
今度はしっかり刀真の言葉が聞こえたものの、突然のことで沙弥は状況がうまく理解できない。
""一緒に出かけるぞ"って誰と誰が……?鬼崎くんが言ったのだから、鬼崎くんは出かけるのよね?
鬼崎くんと誰が……?わたしに向かって言ったのだから、鬼崎くんとわたし……??"
そこまで考えて、ようやくどういうことか理解できた沙弥は混乱する。
混乱しながらも、答えないわけにはいかないので何とか口を開いてみるものの、
「あっ、あの、わたし凌さんが、今日は約束を、待ってて、だから掃除を……。」
頭の整理がついていないまましゃべるので、全く文章になっていない。
沙弥自身でさえも、自分が何を言っているのか、理解できていないのだから、当然のことだ。
しかし、"凌"という名前で刀真はピンと来たらしく、沙弥の意味のわからない言葉に対して言葉を返す。
「大蛇の野郎に今日お前と出かけて来いって言われてんだよ。だから、何の問題もねぇよ。」
まさに沙弥が言おうとしていたことに対する答えが言う前に返ってきたことで、沙弥はぽかんとしてしまう。
その様子に気が付いた刀真は、ぷっと常の彼なら有り得ない表情で笑った。
「その顔、阿呆みたいだぜ。それより、とっとと行くぞ。」
刀真の言葉ではっと我を取り戻した沙弥は、ここで待ってるから良いと言う刀真をそういうわけにはいかないと、
強引に部屋へあげると刀真に手早くお茶を淹れて出し、出かける準備に取り掛かった。

お昼を回った頃、沙弥と刀真はかつて沙弥の買い物に刀真が付き合った時にも来た、ショッピングモールへとやって来た。
休日ということもあり、家族連れやカップル、友達同士でやってきた客で溢れ返っている。
基本的に人混みを苦手としている二人は、来たばかりだが少し帰りたくなった。
人の多さに辟易しながら特に何をするわけでもなくウィンドーショッピングとも言い難い様子であてもなく歩いていると、
沙弥は、鼻腔をくすぐる香りに気が付く。
周りを見るとそこにはお昼時で混雑しているカフェがあり、沙弥はその香りでお腹が空いたことに気が付いた。
「鬼崎くん、そろそろお昼にしない?」
隣を歩く刀真にそう問いかけると、"そうだな"っと同意を示したので、沙弥の知るショッピングモールから程近い場所の穴場であるカフェへと入る。
ショッピングモール内の飲食店は何処も人が溢れ返っていたが、その店はまばらに空席があり、満席とまではいかない程だった。
あんなに人がごった返しているようなところで何か食べても食べた気がしないだろうと思っていたので、
刀真にとってこの店の空き具合はありがたいものだった。
とりあえず二人は注文し、料理がくるまでの間会話をして待つことにした。
刀真から何かを話すということはないので、基本的には沙弥が話して刀真は聞き役に徹する。
刀真は基本的にどんなに時間がかかろうとも沙弥が話すのを待ってくれる。そして、ちゃんと聞いてくれる。
話すのが苦手な沙弥も、刀真が相手ならばいつもよりも饒舌になれた。
その内、注文した料理が運ばれて来たので二人は会話を一時中断して食べ始める。
昼時のピーク時の客の入り加減からの想像とは異なり、予想外に美味しい料理に刀真は若干驚いた。
料理を食べ終えてからしばらくの間、食後に沙弥は紅茶とデザートのケーキ、刀真はコーヒーを楽しみながら中断していた会話を再開する。

カフェでゆったりとした時間をしばらく過ごし、二人は再びショッピングモールの喧騒の中へと戻った。
相変わらずの人の多さに辟易しながら歩いていると、ディスプレイされている物に沙弥の目が引き寄せられる。
沙弥がどこかを一心に見つめている事に気が付くと、刀真はその視線を辿り、
「……懐中時計……?」
沙弥の見つめている物の名前を呟いた。刀真のその声に反応したかのように、沙弥は口を開く。
「……鬼崎くんに初めて護衛を頼んだとき、わたしが戻ると鬼崎くん切なそうに見てた。」
もう中を決して見ることはできないが、両親の形見であるロケットとよく似た形をしている懐中時計をあの日刀真は見ていた。
いつの間にか失くしてしまったロケットの姿を重ねて……。
そのロケットを今も刀真は持ち歩いている。
鬼斬丸が刀真の前に現れることはもう二度とないが、自分のした事を、過去を忘れてはならない。忘れることなどできやしない。
懐中時計をぼんやりと眺めながらそんな風に考えていた刀真は視線をふと隣で黙り込んでしまっている沙弥へとずらす。
沙弥の視線は未だ懐中時計に向けられたままで……。
眉根を寄せて辛そうに悲しげな表情を浮かべる沙弥を見て、刀真は微かに微笑んだ。
そして、突然、沙弥の頭をわしわしと撫でた。
けっこうな勢いで撫でられたので、沙弥は思わず"きゃっ"と悲鳴を上げてしまう。
「お前が、んな顔してんじゃねぇよっ!!」
刀真の言葉に意味を図りかねた沙弥は目をぱちくりと瞬かせる。沙弥のその表情に刀真はまた少し笑うと続ける。
「過去は消えやしねぇ。でも、少なくとも今はもうお前のおかげで、周りの人間を自分の意思とは無関係に傷つけてしまうことはなくなった。
好き好んで来ようとは思わねぇけど、こんな人混みにだって安心していられるようになった。
そういう意味じゃ、俺は今幸せなんだと思うぜ?
お前のおかげで今の俺があるんだ。
だから、お前が、んなしょげかえったような顔すんじゃねぇよっ。」
常からは考えられないような晴れやかな表情を浮かべた刀真を間近で見た沙弥は顔が熱くなる。
いつもの眉間に皺を寄せた、怒っているかのような仏頂面からは想像できない、明るい表情に沙弥の鼓動は自然と跳ね上がった。
きっと今自分の顔は真っ赤になっている気がする……そう思った沙弥は赤い顔を刀真に見られないよう顔を俯ける。
そんな沙弥の様子に気が付いた刀真は自分も顔が熱くなってくるのを感じ、それを誤魔化すように違う方向を向きながら言った。
「まあ、とにかくだ!!お前がんなしょげかえった顔する必要はねぇんだよ!!わかったかよ!?」
刀真のぶっきらぼうながらも優しい言葉に、
「ええっ、わかったわ。ありがとう鬼崎くん。」
沙弥が答えた。まさか礼を言われるとは思わなかった刀真は、どんどん熱くなる顔を見られないよう、
「礼言われるようなことしてねぇから、礼なんか言うんじゃねぇよ。おら、違うとこに行くぞ。」
そう言って急いで歩き出した。

それから再び特に何をするわけでもなくぶらぶらと動き回り、再びカフェでお茶をして、二人はいろんなことを話した。
気が付けば陽は傾き始め、空は茜色に染まっている。
刀真はちらりと時計を確認すると、沙弥に言う。
「そろそろ帰るぞ。」
刀真のその言葉に沙弥は頷きショッピングモールの中を駅に向かって歩き出した。
しばらく歩くと、
「藤森っ、お前少しここで待ってろ。ちょっと寄らなきゃならねぇとこがある。」
そう沙弥に告げると、沙弥がどこへ行くのか、一緒に行っても良いか尋ねる前に刀真はどこかへ走り去って行った。
言葉を発しようと口を開きかけたままの状態で刀真の背中を見送り、置き去りにされてしまったと苦笑する。
とりあえず、近くのベンチに座り刀真が戻ってくるのを待っていると、程なく刀真は何か大きな紙袋を手に戻ってきた。
「悪かったな、待たせて。さっさと帰るぞ。」
ぶっきらぼうに沙弥にそう言う刀真の顔は夕日のせいなのか、はたまた何か理由があるのかわからないが、
少し赤くなっているように見え、沙弥は首を傾げながらも刀真の言葉に相槌を打ち、ベンチから腰を上げた。
この短時間の内に刀真は一体何を買ってきたのだろうか?と沙弥は聞きたいと思ったけれど、
刀真が足早に歩いていくので、置いていかれないよう着いて行くことに必死になり、聞いてみる余裕はなかった。

沙弥の住むマンションが見えて来た時には、沙弥はすっかり息があがってしまっていた。
マンションのエントランスが見え、沙弥は刀真に今日はありがとうと伝えようと口を開きかけたのだが、
刀真は止まることなくマンションの中へと入っていく。
いったいどうしたと言うのだろうか?と疑問に思ったが、沙弥は今日、凌と約束をしていた。
それが、今日になって突然、凌の代わりに刀真と出かけることになったので、
きっと何か凌に用でもあるのだろうと沙弥は結論付け、刀真に問いかけることを止めた。
沙弥と凌の住む階へ着くと、沙弥の部屋の前に人影があった。その人は刀真と沙弥の姿を認めると口を開いた。
「もうっ!遅いじゃないっ!!」
その言葉に刀真は憮然とした表情を浮かべながら言葉を返す。
「なら、アンタが行けば良かったじゃねぇか。ほらっ、取って来たぜ。」
そう言って、手に持っていた大きな紙袋をその人物に投げて渡した。宙を舞った紙袋を慌てて受け取り、
「投げないでよっ!!落としたらどうするつもり!?」
刀真を怒鳴りつける。
「アンタが落としたりするようなタマかよ……。」
そんな二人のやり取りを沙弥はぽかんと見つめる。
そんな沙弥の様子に気がついたのは、沙弥の部屋の前にいたその人、狗谷理佳子だった。
「沙弥ちゃん、おかえりなさい!!さあっ、今から準備するわよ!!」
突然、話をふられて、しかも何の準備なのかさっぱり状況を理解できない沙弥は、"えっ??"と困惑の表情を浮かべるが、
それには気付いていないのか、それとも完全にスルーしたのか理佳子はにっこりと笑いながら沙弥の方へ寄って来る。
「じゃあ、鬼崎くん後は頼んだからね!!さっ、沙弥ちゃんは今から準備よっ!!」

一時間後、沙弥は理佳子と共に狗谷家のリビングへと続く扉の前にいた。
「あの、理佳子さん……?」
「可愛いわ、沙弥ちゃん!!よく似合ってるわよ♪」
状況が理解できない沙弥は不安気に理佳子に声をかけたのだが、理佳子はにこにこと嬉しそうに、沙弥を褒める。
どうにも事態の質問をできないまま気が付けば、オフホワイトのミニドレスを着せられ、
髪の毛は綺麗に巻いてハーフアップにアレンジされ、顔は薄く化粧までされていた。
理佳子の言葉にとりあえず、"あっ、ありがとうございます……。"っと答えながらも沙弥は困惑する。
そんな沙弥に理佳子は無情にも、
「沙弥ちゃん先にリビングに行ってて?わたしはちょっと自分の部屋寄って行くから。」
そう言って、笑顔で自分の部屋へと行ってしまった。
その場へ一人残された沙弥は、状況がわからないものの理佳子に言われた通りリビングへの扉を開けた。
その途端、

パンッ、パンパンパンッ、パンッパンッ!!

破裂音が響き渡り、沙弥は思わず目を瞑る。その破裂音が止むと、
「「「「「「HAPPY HALLOWEEN!!」」」」」」
っと言う声が沙弥の耳に聞こえてきた。恐る恐る目を開けるとそこには、クラッカーを手に持ち正装した、守護者の皆が笑顔で沙弥の方を見ていた。
二、三度瞬きを繰り返し部屋の中を見渡すと、可愛らしい飾りつけとテーブルに並ぶ豪華な料理が目に入った。
「姫っ!!驚いたっ!?」
にこにこと笑顔で志郎が言う。
「驚かせてしまって、すみません。」
眉根を下げ申し訳なさそうに駿が謝罪の言葉を口にする。
「ごめんな、沙弥。俺はこんな風に沙弥を驚かせるのはやめようって言ったんだ!!だが他の奴等が……。」
慌てた調子で凌は必死に弁解しようとする。
「先輩も参加したんですからいくら言い訳したところで同罪ですよ?沙弥先輩、その格好よく似合ってます。」
どこか笑っていないように見える笑顔で凌に釘を刺し、怜は沙弥のことを見て先程の笑顔とは違う笑顔を浮かべ褒める。
「よく似合うな。」
目を細め、響は普段からは考えられぬ程優しい顔をして沙弥を見る。
「……っ。」
沙弥の姿を確認して、刀真はすぐに視線をふいっと逸らした。
「あっれ〜?鬼崎先輩、顔、何か赤くないですか〜?」
何の反応も示さなかったように見えた刀真を見て、反応しなかった理由がわかった怜は、にこにこと……、
それこそ悪魔の微笑みと言えるような微笑みを浮かべてそう言った。
怜の発言により、皆の視線が刀真に集まる。もちろん、沙弥も刀真の方を見た。
「鬼崎くん、どうかした……?」
刀真のことを心配気に見ながら沙弥が問いかける。
「……どうもしねぇよ、気にすんなっ。」
相変わらず視線を沙弥にあわせないまま答える刀真の様子に沙弥はより刀真のことが心配になる。
今日一日、わたしに付き合ってくれたから、疲れて……?それともまさか、出かけたせいで体調を崩してしまった!?
鬼崎くんだから心配かけまいと何も言わなかっただけかもしれない……もしかしたら、朝から体調が悪かったのかも……!!
心なしか少し頬が赤くなっている気がするし……もしかしたら熱があるのかも知れない!!
沙弥の考えがそこまで至ると、沙弥は刀真へと駆け寄る。そして、自分の頭よりも高い位置にある刀真の両頬へ手を伸ばし、
刀真の顔を自分の方へと引き寄せおでことおでこを引っ付けた。
「少し熱いみたい……。」
沙弥はそう言うと、おでこを離して"鬼崎くん、大丈夫?"っと身長差のため自然と上目遣いで刀真に問いかけた。
あまりにも近い距離に刀真は一気に顔に熱が集まる。さしずめ茹蛸のように顔が真っ赤になった。
真っ赤になった刀真の顔に沙弥はうろたえる。そんなに体調が悪いのかしらと焦り始めたとき、
「沙弥先輩、鬼崎先輩は放っておいても大丈夫ですよ〜。」
っと、怜から声がかかった。"えっ、でも、こんなに顔が赤くなってしまって熱もあるみたいだし……。"と沙弥が返すと、
先程と同じく、にっこりと悪魔のような微笑を浮かべてさらりと言う。
「鬼崎先輩は、沙弥先輩のあまりの可愛さに照れてるだけですよ。さっ、だからこんなところでもたもたしてないで、
ご飯食べましょう?もう、お腹減っちゃいましたよ〜。」
最後の部分はにっこりと天使のような笑顔を浮かべて怜は言った。
沙弥と刀真は怜の言葉を理解するのに、他の面々より時間がかかった。
その隙に、怜は"ほら、沙弥先輩早く!!"っとご機嫌に沙弥の手を引いて、料理へと手を伸ばす。
他の面々も含め皆が食べ始めたとき、ようやく……
「狐邑っ!!てめぇ何言ってやがるっ!!!」
っと刀真の怒鳴り声が響き渡り、理佳子がそれに驚いてリビングへやってきて、沙弥はおろおろとうろたえ、
他の面々は割れ関せずに沙弥を囲んで、料理を楽しんでいた。
ハロウィンパーティーはまだ始まったばかり。
騒がしい夜はまだまだ続く……。

〜おまけ〜
「ハロウィンパーティーなのに、どうして仮装しなかったの?」
至極当然、尤もな質問を沙弥が口にした。
「沙弥ちゃんもそう思う!?せっかくハロウィンパーティーするなら普通は仮装するわよね〜。」
沙弥の言葉に同意するかのように理佳子がうんうんと頷きながら言う。
「俺は仮装してパーティーやりたかったんだよ、姫っ!!」
どこか不貞腐れた様子で志郎が言う。そして、言葉は続く、
「それなのに、皆"嫌だ"の一言で片付けてさ……。俺、仮装したかったのにっ!!」
大型犬がうなだれているかのように、大きく肩を落としてる様は可愛らしく見える。
「俺は別に嫌だなんて一言も言ってないですよ〜?仮装してもしなくても、どっちでも良かったですし。」
志郎の発言に対して怜がにっこりと笑顔でそう言えば、駿も同意する。
「僕も、どちらでも構わなかったです。こんなときでもない限り仮装なんてしないですからね。」
にこにこと爽やかな笑顔で駿が言うと、焦ったように、
「俺は、沙弥がそう言うなら仮装しても良かったんだ!」
凌が主張する。そんな凌に対して、冷ややかな声音で横から怜が突っ込む。
「あれ?大蛇先輩、"仮装なんてしなくていい!!する必要ない!!"って言ってませんでしたっけ?」
にっこりと悪魔の微笑みを浮かべて言った怜の言葉に、"言ってた!!"、"言ってましたね。"と志郎と駿が頷く。
「あっ、あれは沙弥が恥ずかしがってパーティーを楽しめなくなってしまうかもしれないって考えてだなっ「あ〜はいはい、わかりました。」」
凌の必死の言い訳を最後まで言わせることなく、怜が問答無用でぶった切った。
「犬戒先輩と鬼崎先輩は、さも当然とばかりに拒否しましたよね。」
そして再び悪魔の微笑みを浮かべて、矛先を響と刀真へと向ける。
「あんなのはガキがやるもんだろ。それをこの歳になってできるか!!」
「これに関しては鬼崎と同意見だな。」
怜は二人が反対していたという事実で、沙弥の中の彼等の株を落とそうとしたのだが、凌とは違い、
二人は反対したという事実を堂々と肯定する。
「……それに、俺は沙弥には今みたいな格好の方が似合うと思っていたからな。だからわざわざ仮装なんてしないで良いと思った。」
端整な顔に微笑みを浮かべて、響の口から紡がれたのは甘い囁きにも似た言葉。
声音は自然と頬が赤らんでしまうのではないかと言う程、艶っぽく、沙弥も思わず頬を赤くしてしまう。
株を落とすどころか、響の株は上がってしまい怜は口惜しげに歯噛みする。
響も怜も笑顔のはずなのだが、そこにはどこか冷たい空気に包まれていた。


○o.。○o.。○o.。○o.。○o.。○o.。○o.。○o.。○o。○o.。○o.。○o.。○o.。○o.。○o.。○o。○o.。○o.。 ○o.。
サイト一周年記念、第四作目はもがき苦しみながらのヒイロノカケラとなりました。
いや、何だかすみません。。。orz
何も言わずに謝りたい気分です(__;)
久しぶりの更新でこれかよ!!っと。。。いや、ほら、やっぱ12、1、2、3月って年末年始、年度末で仕事が忙しいんですよ!!(言い訳
で、まあ、なかなか筆(タイプ)が進まないわけでして。。。
仕事が慌しいと脳内も現実思考色が強いわけでして。。。
ジャンル作ってるものの、普段書きなれないので書くものではないなっと痛感させられました(泣
もう、アレ?こんなしゃべり方だっけ。。。?っとか四苦八苦(__;)
けど、ヒイロ以上に間違いなくもがき苦しむのはコルダ3ですね。。。orz
あ〜コルダ3ですけど、コルダ3設定の無印&2&fキャラで書いてもいいですかね。。。??
さて、今回は、"ハロウィンパーティー"ってお題なのに、何でヒイロは仮装してない!?って感じですよね〜
最初は仮装で考えたんですよ!!でも、すんごい不機嫌そうな響と刀真の姿がありありと想像できまして(汗
響好きのわたしとしては響にそんな顔はさせられない!!と、ヒイロは仮装なしにしてしまいました(滝汗
志郎は一人ノリノリで仮装しそうなイメージなのですが、駿たんは何か嫌がりこそしないけれど苦笑、怜たんは可もなく不可もなくな感じで、
特に何とも……凌は沙弥の可愛いコスプレ姿見たさに賛成しそうな感じだけど、他の守護者に見せたくないという理由から猛反対!!
そして言わずもがな、圧倒的圧力と権力握ってそうな響と、刀真は賛成するはずもなく。。。
という妄想から、ヒイロの仮装は取り止めになり、このメンバーで仲良くパーティーの準備をしている姿も想像できず、
沙弥にはないしょで守護者メンバーが極秘に準備を行い。。。(まあ、そこでもすんげーモメながら準備したんだと思われますが(苦笑))
日替わりの沙弥と一緒に帰るってな事になりました。本当は当日のデートは響にしたかったのですが、
メインヒーローくんにその座は譲りました。。。鞍河は、怜たんと響好きなので、やたらこの二人だけ長いっていう(爆
贔屓はいけませんね、贔屓は(汗
次コルダ3書いた方が気分的に楽になれそうですが、コルダにしておこうかな。。。まあ、どちらかにします!!
何か本文も無駄に長くて、あとがきまで長くなってすみません(汗)ここまで読んでくださってありがとうございますm(__)m

 

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