協奏曲(コンチェルト) 前編


「じゃあ、久しぶりの再会を祝しまして、乾杯っ!!」
菜美の乾杯の音頭に皆一様にグラスを掲げて乾杯した。
「「「「「「「「「「「「かんぱ〜いっ!!」」」」」」」」」」」」
そこかしこからグラスをあわせる音がする。
今日は、横浜みなとみらいホールで全国学生音楽コンクールの地方大会があり、星奏学院のオケ部も参加するので、
その応援と、8年前一緒にコンクールやアンサンブルに参加した、皆に会うため日本へ久しぶりに帰国した。
久しぶりの日本に、久しぶりに会う友人達。コンクールにアンサンブルにコンミス……、忙しく走り回っていたのが、
ついこの間のことのように感じるけれど、もうあれから8年も経ったのか……っとぼんやりと考えていたら、声をかけられた。
「香穂さん?どうかした?ぼんやりしたりして。」
「ううん。ただね、こんな風にこのメンバーでよく集まって、演奏したりしてたころから、もう8年も経つんだな〜って思って。」
加地くんに笑いながらそう答えると、他のところから声が上がる。
「そうだよね。このメンバーと知り合ってからもう8年か〜。年取るはずだわ。」
うんうんと頷きながら菜美が言うから、何だか笑えた。他のメンバーも同じ気持ちだったのか、皆一様に笑っていた。
そんな中、金澤先生は苦笑していて、
「おいおい、お前さん達そんな風に言ってくれるな。俺と吉羅の立つ瀬がないだろう。」
っと、嘆くように言った。
「金やんも、もうアラフォーだっけ?いい加減浮いた話とかないの!?」
ジャーナリストとして気になるのかただの興味本位なのかわからないけれど、菜美は楽しそうに尋ねた。
そんな菜美の態度に、金澤先生はかつてのように飄々とした態度で答える。
「あったとしてもお前さんには口が裂けても言わんさ。どんな記事を書かれるかわかったもんじゃないからな。」
そう言ってニヤリと笑った。
「駆け出しジャーナリストにネタを提供してやろうっていう優しさはないわけ!?
"オペラ界の貴公子テノーリスト金澤紘人、美しき新星・ヴァイオリニスト日野香穂子と熱愛!!"みたいなさ〜。」
菜美が負けじとニヤリと笑いながら放った言葉に、金澤先生は飲んでいたお酒が気管へでも入ったのか咳き込んだ。
わたしも驚きのあまり食べていた料理を喉に詰まらせそうになり咳き込む。
わたしと、金澤先生が咳き込んでいると、他のメンバーが一斉に声を上げる。
「「「「「「「「「そう(なのか、なんですか、なのかい)香穂(子、ちゃん、さん、先輩)!?」」」」」」」」」
冬海ちゃんと菜美を除くメンバーの声はきれいに揃っていて、冗談で流す内容にどうしてそんなに喰いついてきたのだろうかと疑問に思った。
「ゲホッゴホッ……、天羽っ!!お前さん何を言い出すかと思えば、冗談もほどほどにしてくれっ!!」
未だ咳き込みながら金澤先生が菜美へと怒鳴る。その顔は、お酒のせいなのか少し赤くなっているようだ。
菜美は何も言葉を返すことなく、金澤先生の反応に満足したような表情を浮かべ"そうだ!!"っと声をあげた。
「久しぶりの再会であるわけですし、近況報告会といきませんか?ってことで、まずは、土浦くんからね!!」
にんまりと満面の笑みを浮かべて菜美がそう言い放つ。
その言葉を受けて土浦くんは、"うっ……"っと心底嫌そうに眉間に皺を寄せた。そんな土浦くんを見て菜美が言う。
「な〜に、その嫌そうな顔〜。いいじゃない、みんなお互いの近況聞きたいだろうし。ね、香穂ももちろん聞きたいでしょ?」
突然話を振られて戸惑ったけれど、星奏学院を卒業してから今まで少人数で会うことはあったものの、
こんな風に全員で集まるのはかなり久しぶりで、たしかに皆の近況を聞きたいという気持ちがあったので、菜美の言葉に同意すべくわたしは頷いた。
「うん、久しぶりに会えたんだからみんなの近況とか聞きたいな。」
にこにこと笑いながらそう言うと、土浦くんが、仕方ねぇなっとあきらめたように溜息を吐き、
そして口を開きかけた途端に違うところから声が上がってきた。
「天羽さん、土浦は渋ってるからさ僕から言ってもいい??」
加地くんが手をあげて身を乗り出してそう言うと、その勢いにやや気圧されたように少し引き気味で菜美が答える。
「そうだね、じゃ、じゃあ加地くんからってことで!!」
その流れに土浦くんは苦虫を噛み潰したような表情を浮かべ、仏頂面をしていた。
一方菜美の言葉に満足そうな表情をしながら加地くんは口を開く。
「僕は今は将来のための勉強中って言えばいいかな。お役所仕事をさせてもらってるよ。
まあ、毎日充実してるかな〜。そこそこ楽しく過ごしてるよ。」
加地くんはにこにこと笑顔を浮かべそう言った。そう言えば加地くんのお父さんって、衆議院議員だったなぁっと思い出し、
将来は加地くんも政治家になるのかな……?何て考える。
加地くんは音楽から離れたところへ進んでいる、ヴィオラは今も続けているのだろうか……。
こちらの大学に通っていた間は会うことも度々あって、その時は彼がヴィオラを続けていることは聞いていたけれど、
ドイツへ留学してからはその話は聞いたことがなかった。
「加地くんは、ヴィオラを今でも続けてるのかい?」
わたしの考えがわかったかのように、柚木先輩が加地くんへ問いかけた。
「高校の時ほど頻繁に触れる機会はなくなりましたけど、今でも趣味程度、続けていますよ。」
加地くんのその答えに自然と嬉しくなり、自分でも顔が綻ぶのがわかる。
音楽は続けていたんだ、ただただその事実がものすごく嬉しかった。
「で、加地くん。結婚のご予定などは!?」
菜美がまたニヤリと笑いながら加地くんへ唐突な質問を投げかけた。
「ええっ!?加地くん結婚するの!?」
菜美のその言葉に火原先輩は驚いたように大きな声を出し、目を真ん丸にして心底驚いたというような表情を浮かべている。
正直、わたしも驚いた。そっかぁ、加地くん結婚するのか〜わたし達ももう、24歳とかだもんね。
口には出さずそんな風に思っていると加地くんが苦笑しながら口を開く。
「誤解ですよ、そんな予定はありません。天羽さん、誤解を招くような事は言わないで欲しいな、香穂さんに誤解されてしまうじゃない。」
何でわたし??まあ、たしかに菜美の話を信じかけていたけど……。
「加地くんならてっきり、そんな話の一つや二つ……いや、三つや四つあるかと思って。」
あはははっと乾いた笑いをして、加地くんから目を逸らすと今度は、火原先輩へと話をふった。
「火原先輩は、どうなんですか?」
いきなり自分に矛先が向いたことに驚いたのか慌てた様子で火原先輩は口を開く。
「えっ、俺?俺にはそんな話ないよ〜っ、ないないっ!!」
火原先輩は大慌てで胸の前で手をぶんぶん振りながら否定する。
「いや、まあ、結婚の予定もと言えば予定もなんですけど、近況の方です……。」
あはは〜っと今度は苦笑しながら菜美が言うと、火原先輩の顔が一気に湯気が出るのではないかと言うくらい真っ赤になった。
「あっ、そっか、そうだよね。えっと、俺は仙台の方で教師の仕事頑張ってるよ!!
今はね、吹奏楽部の顧問をやらせてもらってるんだ〜!!毎日が楽しいよ!!」
先程の名残で顔を真っ赤にしながらも嬉しそうに笑顔でそう言う火原先輩を見ていると、本当に楽しいのだな〜って伝わってくる。
「何か、火原先輩は子供と一緒になって盛り上がってそうですよね。どっちが生徒なんだってくらいに。」
土浦くんが面白そうにそう言ったので、想像してみたらたしかに、っとちょっと笑ってしまった。
「あ〜ひどいっ、土浦!!まあ、たまに生徒からそんな風に言われるときもあるけど……。
って、あ〜!!香穂ちゃんまで笑ってるし!!」
笑ってしまったのがばれたみたい。火原先輩は少し不貞腐れたように頬を膨らませている。
「そういう風にすぐ不貞腐れるところが子供と同じだって思われるんじゃないんですか?」
土浦くんも火原先輩の様子に笑いながら言う。
土浦くんの言ったことに先輩は"そうなのかなっ!?"っと驚愕の表情を浮かべ頭を抱えた。
その様子にわたしは再び笑いがこみ上げてきて、くすくすと笑う。
「じゃ次は〜……。トップバッターじゃないからいいでしょ?土浦くんはどうなの?」
菜美が今度は土浦くんへと質問の矛先を変えた。
土浦くんは矛先が自分に向いたことで一瞬たじろいだけれど、口を開く。
「俺は、まだまだ指揮の勉強中。まあ、知ってるだろうけど一年卒業を延ばしたて大学院の方に通ってるからまだ学生だ。
学ぶべきことがまだたくさんあって大変と言えば大変だが、ものすごく充実はしてるな。」
最初は言うのを嫌がっていたのに、いざ言うとなるとどこか楽しそうな表情を浮かべている。
土浦くんはわたしと同じ時期に、同じドイツへと留学した。まあ、もちろん違う大学ではあるけれど。
それでも、知り合いが同じドイツにいるって言うのは心強くて、向こうにいる間も頻繁に連絡を取って、一緒に食事に行くなんてこともよくあった。
土浦くんには本当に学内コンクールに出ることになってしまった時から、わたしが音楽を始めたばかりの頃から、お世話になりっぱなしだ。
そう考えると、菜美や冬海ちゃんを除いたメンバーの中で一番わたしが近況を知っているのは土浦くんだろう。
「土浦、君は最近はコンクールにも出場しているのだろう?オケに所属している知人からよく君の名前を聞く。」
月森くんが土浦くんへ問いかけた。そう言えば、わたしも以前一緒に演奏させてもらったオケの人が土浦くんの話してたな〜……。
"カホコ、リョウタロウ ツチウラって指揮者を知っているかしら?"
"土浦くん……?彼はわたしの高校時代の友人よ。どうかしたの?"
"コンクールに出場した子ですごい指揮者がいるって聞いたのよ。彼はまだまだ化ける可能性がある。
きっと素晴らしい指揮者になるわ!!
同じ日本人らしいからカホコなら名前を知っているかと思って。"
月森くんの耳にまで入ってるなんて、やっぱり土浦くんはすごいな〜……。
「土浦くん、指揮者デビューした暁には独占取材させてよ♪彗星の如く現れた期待の新人、土浦梁太郎ってね!」
菜美が何かを企むかのようにそう言えば、土浦くんは即行で答える。
「断る。お前に関わるとろくなことがない。」
むすっとしてそう答えた土浦くんに"けち〜っ"と言うと、菜美は今度は月森くんへ向き直った。
「月森くんはどうなの?つい最近、世界各国で開いていたソロリサイタル、先週の日本で最後だったんでしょ?」
菜美の問いかけに、月森くんは出会った頃なら考えられないくらいにすんなりと答える。
「ソロリサイタルも終わったから、しばらくはこちらで依頼のあった仕事をこなしていくつもりだ。
リサイタルの評判は良かったと周りからは言われたが、まだまだ未熟な部分ばかりが目に付いたから、
その部分を振り返って練習や解釈を見直そうかと思っている。」
月森くんの言葉にやっぱり、月森くんは月森くんだな〜っと笑みが浮かぶ。リサイタルでドイツへやって来た折には、リサイタルへ招待してくれた。
急遽、月森くんからデュオで演奏することを頼まれステージに上がることになったことには驚いたけど……。
「月森先輩のリサイタルと言えば、ドイツでの公演では香穂先輩とデュオで演奏したという話を聞きました。
すごくうらやましかったです、香穂先輩とのデュオ……。月森先輩の提案ですか?」
昔と変わらないぼんやりとした様子で志水くんが口を開いた。
「いや、主催者の人が香穂子のファンらしく、香穂子が来ているのを見つけて興奮気味に俺にその話をしてくるものだから、
招待したことを言ったら、是非、香穂子と演奏して欲しいと頼まれたんだ。
本当なら、香穂子と演奏するのは他の機会にとっておきたかったのだが……。」
月森くんが少し目元を赤くしてこちらを見た。月森くんどうしたんだろう……?
もしかして、わたしデュオのときに何か失敗したっけ!?でも、あの時はリサイタルが終わった後、
主催者の人も含めて一緒にご飯を食べに行って、素晴らしかったって月森くん言ってくれてたよね!?
月森くんの視線の意味がわからず段々と焦ってくる。ええっ!?わたし何かしたっけ!?
そんなわたしの様子に気付くこともなく、菜美は次なるターゲットへと矛先を向ける。
「ぼ〜っとしてて聞いてるか聞いてないかわかんないのに、香穂の話に関しては相変わらず喰い付きがいいんだね……。で、志水くんの近況はどうなの?」
菜美は空笑いしながら志水くんへ尋ねた。
「僕ですか……?僕は、昔と変わらず毎日音楽に囲まれて生活してます。
世界はいつも音に溢れていて、その音と音が結ばれて一つの音楽のようで……、その音達を楽譜に書き留めて、音楽を書いてます。
香穂先輩と電話した後なんかは、いろいろな音が浮かんできて、美しい素敵な音楽を書くことができます。」
志水くんはそう言って、わたしの方を見ながら天使のような笑顔を浮かべた。
星奏学院に通っていたときは、まだ幼さの残る美少年だった志水くんは今や、背も昔より大きくなり精悍な顔つきで、
作曲家と言うより、モデルとか俳優さんって言った方がしっくりくるくらいの美青年になった。
そんな志水君に殺人級の笑顔を向けられてしまっては、顔が赤くなるのが止まらない……。
「おや、香穂子。顔が赤いようだけど大丈夫かい?」
柚木先輩にそう言われてギクっとする。恐る恐る柚木先輩の様子を伺ってみれば、何だかオーラが黒い気がする……。
うっ……わたし何かしたかな……?
少なくとも柚木先輩の気分を害することはしてないと思うのだけど……、そう思いながらも冷や汗が止まらない。
さっきまで熱くなっていた頬が嘘みたいに今度は熱を失っていく。
「そっ、そうですか?何でもありませんよ、大丈夫ですっ!」
乾いた笑いを顔に貼り付けて何とかそう答えると、にっこりと柚木先輩が微笑んで言った。
「そう?ならいいんだけど。何かあったらすぐに言うんだよ?そうだ、志水くん。
近々うちの店のCMを作ろうと思っているんだけどね、イメージに合う曲が見つからなくて困ってるんだ。もし良かったら曲を作ってもらえないかな?」
「CMですか?おもしろそうですね、やってみたいです。
……たしかちょうど期日の決まった仕事は入ってなかったはずなので、近いうちに詳しく話を聞かせてください。」
柚木先輩の言葉に興味を持ったようで、志水くんは少し嬉しそうに微笑みながら言った。
お店のCMに、そのCM用に作曲を頼まれるなんてなんだか別の世界だな〜っと思う。
菜美にしてみれば、香穂子も十分別世界の住人なのだけれど、そんなことは露程も思わないのが日野香穂子という人間だ。
「ビジネスの話は置いといて、柚木先輩はどうなんですか?いろいろ噂は聞いてますけど、実際のところは?」
恐る恐るといった様子で菜美が柚木先輩へと話を振る。
「僕かい?近況のことで僕はそんな取り立てておもしろい話なんてできないけど、そうだな、最近始めたカジュアル懐石がうまくいっていてね、
メディアに取り上げられる機会も増えて仕事は順調だよ。」
にっこりと微笑みながら言う柚木先輩。
「僕もこの前行かせてもらったよ。僕が行ったのは昼間だけど、値段が手頃でランチを食べに来る女の人なんかが多いみたいだね。」
王崎先輩が思いだしたように、にこにこと笑顔で言った。
それを聞いてそうなんだ〜、日本にいる間にわたしも行ってみよう〜っと、香穂子はそんな事を考えていた。
「いらっしゃるのであれば連絡してくだされば良かったのに。事前に席を押さえておくこともできるのですから。
今度お越しの際には、連絡ください、事前に手配させてもらいますから。」
にっこりと柚木先輩が微笑んでそう言うと、王崎先輩は"じゃあ、次からは連絡するね。"っと笑顔で言った。
二人の会話が途切れたところを見計らって、菜美が再び口を開く。
「あの〜、柚木先輩?」
「何かな、天羽さん。」
菜美の声に柚木先輩は胡散臭いくらいの笑顔で返す。菜美はその様子に頬を引きつらせながらも言葉を続けた。
「あの、……やっぱ、いいです……。」
「そう?それならいいのだけど。」
菜美は高校の頃から、柚木先輩の笑顔はどこか胡散臭いときがある、食えない人だ〜って言ってたから、
柚木先輩のオーラが少し黒くなっているのを本能的に感じ取ったのか、言いかけてやめてしまった。
そんな菜美に柚木先輩は笑顔で答えた。柚木先輩も変わらないな〜、やっぱり。
「王崎先輩はどうですか?」
菜美は気を取り直したように、王崎先輩へと矛先を変えた。
「僕かい?」
王崎先輩の言葉に菜美は大きく頷く。
「僕は、最近、CDの録音をしているよ。少しでも多くの人たちが音楽を身近に感じて好きになってもらいたいなって思ってるんだ。
好きになってもらうには、まず音楽を聞いてもらう必要があるでしょ?
それで、一番いろんな人達に聞いてもらえるのってCDかなっと思って、今CD作ってるんだ。」
王崎先輩はわたしが初めて先輩に会ったときからいろんな人に音楽を好きになって欲しいって言ってた。
だから王崎先輩は、わたしが学内コンクールへ参加していることを喜んでくれた。
そう言えば、学内コンクールの後もわたしが音楽を続けるって言ったらすごく喜んでくれたなあっ……。
「信武さんは、今どこを拠点に活動してるの?」
昔のことを思い出していたら、衛藤くんが王崎先輩へ尋ねた。
「拠点というわけでもないけど、今は日本でCDの製作を行ってるよ。
そうそう、迷惑をかけたりすることがあるから表立ってはできないけど、ボランティアも参加させてもらってるんだ。
うん、充実した毎日を過ごしてるよ。」
最近、忙しくて王崎先輩と連絡を取れてなかったけれど、先輩は日本にいたんだ。
それにしても、ボランティアに参加しているなんて、自分がどれだけ有名かわかってるのかな?
でも、有名になろうとどんなにすごいヴァイオリニストになろうと王崎先輩が変わらずにいてくれるのはとても嬉しく思った。
「CDの製作してるならまだ、しばらく日本にいるんでしょ?」
「そうだね、来月までは日本にいるつもりだよ。」
王崎先輩の答えに衛藤くんの口の端が嬉しそうに上がる。
「じゃあさ、久しぶりに音合わせたいんだけどいい?」
「うんっ、かまわないよ。いつにするかはまた後日でいいかな?」
「ああっ、また連絡するよ。」
さすが衛藤くん、相変わらずやることが早いと言うか……。トントン拍子にビッグネーム二人の非公開共演が決まってしまった。

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ちょっと長くなるので、前編・後編に分けます!!あとがきは後編の最後にまとめて書きますm(__)m

 

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